アリの視点

アリが進む先に水溜りがある。上から眺める人は、そのアリの行く先に何があるか知っている。しかし、アリには分からない。

その水溜りに直面しなければ分からないし、その先、右が良いのか左が良いのかも分からない。アインシュタインは、こう言った。「いかなる問題も、それが発生したのと同じ次元で解決することはできない」

アリの持たない高さという次元を持つ人だからこそ、そのアリの抱える問題を簡単に解決することが出来る。そして、我々は、時間軸における問題を抱える。将来が不安となり問題となることは少なくない。

しかし、我々は、時間軸の先を見ることができない。つまり、現在の我々にとってみれば、時間軸における、物事の良し悪しは本当は分からない。この次元に生きる以上、分かりようがないのだ。

世の中の本当の仕組みの意義は、そこにあると感じる。つまり、現時点のいかなる判断も、最適とは限らない。そして、どんな状況であっても、最悪とは限らない。

必要以上に悩み考えることは、アリが、この先に何があるのか不安になることと同じ。いきなり自転車が通り過ぎることや、予期せぬご馳走にありつけることなど分かるはずはない。

それを予知できないと嘆いても、仕方ない。不安がらず、期待しすぎず。しずぎたところで、結局のところ意味などないのだ。

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