ここ数年来、もっとも変化したことといえば、「大勢の行く末は、想定できない」ということだろう。一昔前でいえば、終身雇用制度のもと、いい学校を出て、いい会社に入れば安泰だった。
しかし、バブル崩壊後、証券会社の倒産や、銀行の統廃合などをはじめ、想定外の出来事が続いた。倒産するはずはないだろうと思われていた会社も、あれよあれよというまに倒産してしまう。
それと同時に、インターネットの普及によって、価値の多様化が、すさまじく進行してきた。それは、テレビの視聴率の低下をすすめ、、ミリオンセラーを生み出すことが困難となった。
一方で、ロングテールという現象が生まれ、ニッチな分野が熱く語られる傾向を創り出した。消費者側の裁量に市場が動かされる市場。ニッチでコアな積み上げで現れる市場。この大勢の動きを誰が予測できただろうか。
そして、この変化は、おそらく今後も継続していくだろう。今の経済状態は、「落ち込んでいる」のではない。なぜならば、元の姿に戻ることはないからだ。経済状態は、新しい枠組みに生まれ変わる。
いや、今まさに生まれ変わりつつある状態にある。そして、好景気は、新しい枠組みの結果として現れる。その新しい形に対処するために、どうあるべきか。その答えのひとつが、「個性」にあると考えている。
どうなるか見えていない状態で、確実な方法など判るはずもない。しかし、少なくともいえることがある。「個性」が生み出す価値観こそが、まだ見えぬ新しい枠組みに対応できるということ。
周囲や大勢に流される時代はすでに終わった。自分の個性と価値観を高らかに表現してこそ、次に進むべき道が見えてくる時代。その時代に在ることを、嘆くのか迎え入れるのか。
やり方次第では、とても面白い時。今、このときを存分に楽しもうではないか。
