強いものは、常にシンプルだ。複雑であればあるほど、様々な接点も増える。そして、接点は、故障やトラブルを引き起こす要因となる。単純で、しっかりと作られたものは、接点が少ないが故に、故障も少なく強い。
この考え方は、モノにだけではなく、活動においても適用出来る考え方だ。何か、大きな事や大きな成果を引き出すには、何か特別なことや難しいことが必要ではないかと考える。しかし、実際にはそんなことはない。
単純でシンプルな活動から得られるものは大きい。そして、シンプルな活動の強さを知っている人も、また、成果を導き出す強い力を持っている。何かすごい結果を出す秘訣やテクニック。誰にもマネができないようなスキル。
何かあるのではないかと探し続けることは、海の上で、目的が定まらず漂流姿に近い。目的を定めたら、オールをまわすだけ。その活動が、目的に確実に近づけてくれる。本当に成功する人は、誰にでもできることを確実にやる。
そして、成功できない人は、誰にもできないことをやろうとする。たとえば、定点観測。ただ、同じポイントで測定を続けるのみ。しかし、このデータの積み重ねは、想像以上の価値と成果をもたらしてくれる。
今どうなのか、過去どうであったかだけではなく、未来を予測するための知恵をも与えてくれる。長い期間の定点観測と活動の結果を重ね合わせ、そこから導きだされる知恵は、簡単にはマネはできない。
たとえ、同じ活動をしていたとしても、裏づけが異なる活動は、必ず結果にも現れてくる。シンプルさは、力だ。特別な何かを探し出そうとする前に、今すでにある、シンプルな方法に目を向けよう。継続も、また力なのだから。