人間の身体には制御できる部分と出来ない部分がある。腕を動かすことは、自分の意思で行うことが出来る。しかし、心臓の鼓動を自由に変化させることはできない。また、足を早く動かして走ることはできても、汗の出方を自由にコンロールすることはできない。
身体というのは、本人の意思とは無関係に、その統一性を維持するために機能している。では、その身体の内部活動は、まったく意思の及ばない領域なのだろうか。いや、そのための重要な方法がある。それが、「呼吸」だ。
どれだけ息を吸い、どれだけ息を吐くか。それを制御することはできる。そして、その呼吸によって、内部活動を、大きく変化させることもできる。まず、リンパの流れが変わる。
リンパは、血液に匹敵する体内に流れる液体で、人間の身体の80%は水ふだと云われる所以でもある。リンパの流れが滞れば、様々なところに弊害が出てくる。ちょうど、河川にゴミがたまってあふれ出すように。
そして、呼吸は、同時に精神を安定させる。精神の安定は、思考を明晰にしてくれる。つまり、より、「正しい」選択が可能になる。「意識的に」呼吸をするという動作は、自分と体内を繋げるコミュニケーションツールといえる。
振り返ってみてほしい。昨日、どれだけ意識的に呼吸をしたか。「息をしている」状態では、コミュニケーションは、成立していない。意識的な呼吸。つまり、腹式呼吸で長く息を吐くということ。
それは、身体の状態をよい状態に保ってくれる。そして、確実に集中力を高めてくれる。集中力は、重要?改めて訊くまでもなく、それは、理解することができるだろう。