様々な価値観は、様々な尺度を生む。それらの価値観の中で一般化されるのは、保守的な最低限の最大公約数的要素である場合が多い。
会社選びの原則は、給与、休み、福利厚生である。お金を増やすには、株や不動産への投資である。こうした価値観は、決して間違いではないが、それだけでは人を幸せにはしてくれない。
それ以前に大切な価値観があるにもかかわらず、「偽りの尺度」によって、行動の成否を測ろうとする。自分の意思から導かれる価値観。それなくしては、決して満たされることはない。
それは、自分にウソをついているようなもの。「偽りの尺度」で納得するための理由を作っている。今の自分の判断が、「偽りの尺度」かどうか。その基準は、それが「損得」か「善悪」か。
損得勘定だけの選択基準は、本当の意味での自分の目標を遠ざける。善悪に基づく判断は、一見遠回りのようでいて、結果的には、目標到達への近道である場合が多い。
保守的であることは、決して悪くはないが、自分へのウソは、必ず見直す機会が与えられる。それに気付けない場合は、幾度となく、その学習の機会が与えられる。だから、結果的に遠回りになる。
あちこちに氾濫している「偽りの尺度」より、自分自身から湧き出る「真実の尺度」を優先する。自分のやりたいことを仕事にする。自分に投資することの価値を知る。
その一見、非効率に見えることこそ、本当の価値を計るための尺度となる。
