コーチングの基本スタンスは、「答えは、自分の中にある」ということ。優れたコーチは、自分の経験や武勇伝から、それを真似させようとはしないもの。その人自身のもつ可能性を引き出すため、その人自身のもつ「答え」に気付かせようとする。
その「答え」への道筋や気付きを与えるのが、コーチであり、コーチングの役割だといえる。このコーチングの手法を考えたとき、それを自らに適用してみるという考え方もできる。
つまり、悩みや不安、迷いにぶつかったら、まず、「その答えは、自分にある」と言い聞かせてみる。それから、まるで誰かに状況を話すかのように、自分の考えや想いをめぐらせて見る。
そのとき、考えや思いをめぐらすために、何度か自分に質問を問いかけてみる。YesNoで答えられる質問からは、「気付き」というのは、得られにくい。
「どんな風に?」「○○とは、どういうこと?」こういった質問形式のように、答えに幅を持たせられる質問形式をとる。それを繰り返していくと、ふと、「腑に落ちる思い」にぶつかることがある。それが、「答え」である可能性が高い。
あとは、その答えを充分に「感じてみる」こと。迷いや不安を感じなければ、それが答えだ。もちろん、「答え」とは、必ずしもゴールではない。次の道筋への手段や方法である場合もある。
誰かに相談するということは、話す過程で、気付きを得るという効果がある。しかし、その方法は、一方で、「他人の価値観に影響を受ける」という側面がある。コーチングを知っている人は、自分の価値観の押し付けはしない。
もし、誰かに相談する方法を取るならば、価値観を押し付けでないことを見極めること。それよりも、まず自分で自分をコーチング。それが、一番早い。答えは常に、自分の中にある。その考え方ひとつで、ほとんどの問題や悩みは解決できる。