あらゆるものは、二度作られるという。一度目は、想像によって作られ、二度目は、物理的に作られる。人間が作り出したものの中で、想像なくして、実現したものは存在しない。
それが、料理であろうと建物であろうと、はじめに、「こうしよう」というイメージがある。そして、人間というものは、実現可能なものしか「しよう」とは思わない。つまり、ものの出来栄えというのは、想像力の出来栄えといっても過言ではない。
想像力というのは、すべての人が持ち合わせているが、それに条件を持たせているかどうかの違いがある。「常識」や「経験」は、その足かせになることも多い。常識や経験は、過去のものであって未来のものではない。
アインシュタインはいった。「知識よりも、想像が重要だ」これは、知識は過去のものであり、想像は、未来のものであると言っている。何か新しいことを作るためには、知識や情報が必要だという観念に支配されやすい。
全く新しいことばかりではなく、今あることの組み合わせが新しいものを作る場合もある。そういったことは、もはや知識ではない。固定観念に縛られない想像力の賜物だ。往々にして、二度目の物理的創造こそが、物事を「作ること」と理解されやすい。
しかし、その重要なカギを握るのは、一度目の想像による創造だ。一度目の創造で何を描くか。自分自身に、一度目の創造について問う。「どうしたいのか?何を実現したいのか?」この過程を楽しむことができれば、新しい何かが始められそうな気がする。