ある目的を達成しようと始めたことに対して、ある日、ふと気付くと、手段に傾倒していることがある。いつまにか、手段が目的に変わってしまう。
この「すり替え」は、無意識に行われ、手段が明確であるゆえ、麻薬のようなもの。ゴルフは、健康とストレス解消のために始めた。気付けば、シングルになるための苦悩とストレスの毎日。
デカイサカナを釣りたいと願っていた。気付けば、それを釣るための道具を使うことに拘っていた。業務を効率化するために改善を始めた。気付けば、ITシステム化することが目的になっていた。
手段というのは、いつも具体的だ。だから、漠然とした目的を追うよりも判りやすい。人は、どうしても具体的でわかりやすいものに、自然と傾倒していってしまう傾向は否めない。
だからこそ、「立ち返り」が必要だ。そして、立ち返りのために、「目的の明確化」が重要だ。それは、手段のひとつではないか。本来の目的を見失ってはいないか。それを、定期的に見直す機会がほしい。
どういった状況が実現したいのか。そのときに、自分は何を感じていたいのか。それを、言葉で明確に表すならば、どう表現することができるだろうか。
その活動に名前を付けるとしたら、どういった名前が適切だろうか。一見、無駄に思えるこうした作業こそが、近道を示すロードマップになることを忘れてはいけない。