ある商品が、市場で流行するプロセスがある。新しい商品が出ると、まずイノベーターが反応する。イノベーターは、当たらし物好きという特徴がある。イノベーターは、比較的少数だ。そして、次にアーリーアダプターの存在がある。
イノベーターの価値観が特出しているのに対して、アーリーアダプタの価値観は、市場との乖離が少ない。だから、アーリーアダプターに受け入れられれば、ヒット商品になる可能性が高くなる。
また、アーリーアダプターは、影響力を持っている。インフルエンサーとも呼ばれ、マーケットメーカーでもある。この兆候が出てくると、同じような商品を出す、あやかりたいという競合が次々に出てくる。
そして、大衆(マジョリティ)に受け入れられると、その商品は、ヒット商品となって市場に蔓延する。多くの他の人たちがいいと言っているらしい。マジョリティは、その感覚を感じ取ってから行動する。
イノベーターが、パイオニア的であるのに対して、マジョリティの人たちは保守的な側面がある。そして、やがて市場は淘汰されていく。商品を買う側の立場として、心しておきたいことが、二つある。
ひとつは、自分が「どのタイプなのか」ということ。そして、自分が買う商品の「素質」を見ること。自分がマジョリティであれば、「あやかりたい商品」を掴むリスクがある。「あやかりたい商品」は、大体「本物」より安い。
基本は、「マネ」した商品なので、素質もそこそこ。「安物買いの銭失い」にならないことだ。「本物」を選ぶことは、結局安いものを買うより固い。「本物」を見抜く目を持つことが賢明だ。
「本物」を見るには、その時期も大切だが、後から出てきたものでも、その背景や信念をみること。経緯や歴史は、「本物」の息吹を感じさせてくれる。「本物」の良さは、素材の良さだけではない。そこに込められるエネルギーが違う。
間違っても、「ニセモノ」は身の回りに置かないことだ。自分自身まで、「まがい物」になってしまう。「本物」の時代。「安ければいい」という時代は終わった。ひとつの時代の流れに乗り遅れないことだ。
