お金を万能ツールとして理解すると、大きな間違いを犯してしまう危険がある。お金は、それ単独では決して万能ではない。お金は、一定の「約束」の上に成り立っている。
100円玉を100円の価値として互いが信頼し、それ相当の価値のものと交換する。そこには、「信頼」がベースにある。たとえ、10円のパンがあったとしても、それで、お腹を壊すならば一銭の価値もない
たとえ、10円のペンがあったとしても、一文字も書けないならば一銭の価値もない。100円には、100円の価値が約束され、それを信頼するからこそ成り立つこと。その約束の冴えたるものがブランドだ。
ブランドは、「信頼された約束」であるといえる。お金は、その信頼関係を便利にするツール。単なる道具に過ぎないと理解することができる。つまり、金銭授受には「約束」と「信頼」がある。
会社は、仕事という約束の上に給与を支払う。その額は、約束の度合いの表れである。では、どうすれば自分の受け取る額を引き上げることができるだろうか。
このお金と信頼の関係が理解できれば、その答えを想像することができる。「自分の行う約束の信頼度を上げる」。この信頼の関係がビジネスそのものだ。そして、その関係が受け取る額を決める。
対して、お金がすべてを解決するというスンタス。このスタンスの脆さを露呈した昨今の経済状況。お金だけがオンラインで流通しているのではない。
社会の根底には、「信頼関係」があることを忘れない。
