負ける理由は、敵が強いからではない。己の力を過信して、我を見失っているからだ。人は、勝つための方法は考えるが、負けないようにするための方法は考えない。孫子は、それをこう説いた。
「負けない理由は、我にあり。勝てる理由は、敵の中にあり」。勝つことばかりを考えると、必要以上の攻めをして、疲弊してしまう。
勝てる理由は、敵の自滅にある。それを誘い出すための「負けない理由」。勝つための方法という視点ではなく、負けないための方法という視点。
敵が「勝つための方法」に万進する一方で、負けないための方法で対抗する。これは、決して「攻め」を否定することではない。自滅に追い込むまでの「過信」を否定している。
勝てる理由は、敵の中にある。自分の実力を最大限に活かすために、身の丈や実力を知ることは大切なこと。必要なリスクはとっても、ギャンブルをしてはいけない。「過信」は、ギャンブルを誘発する。
だから、負けない理由をしっかり認識しておく。それが、勝てる理由に結びついていく。この二つの理由が共鳴したとき、期待した結果を得ることができる。
