リーダーの資質

「私が決める」。ある人が、ことあるごとに、口癖のように、こうした主旨の発言をしている。そのたびに、リーダーとリーダーシップというものを勘違いしてはいないだろうかと感じてしまう。

リーダーには、決断力が求められることは事実。しかし、決断に大切なのは時合いとタイミング。タイミングを逸した上に、周囲を混乱させ、こうした姿勢を表すのは自己顕示欲にしか見えない。

リーダーとしての意思が垣間見えるというよりも、むしろ、申し訳ないが、とても滑稽にみえてしまう。リーダーとは、ビジョンを示す人であり、そして、先に行き、指し示す人であるという。

ただ、周囲に流されないように意地をはることや、自尊心を傷つけられる不安に対抗することではない。支持率が低迷する理由は、その発言云々というよりも、明確な意思と、その適切な表現の欠如にあると感じる。

過去の遺産や事例に乗っかってやれる時代があった。しかし、今は決してそういった時代ではないといえる。だからこそ、明確な意思やビジョンが必要であり、それを遂行するための胆識が求められている。

そして、それを選ぶ側としても、その意思を明確にしなければならないということでもある。政策ではなく、タレント性を重んじるという施策。「国民は、ごまかせる」という意思がそこにあると感じる。

我々は、一昔ほどごまかされはしない。そういった意思表示も必要なときだろう。こうした時勢だからこそ、真のリーダーを求めよう。

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