ある男の最期

ある男が、人生の最期を向かえた。これまでの人生が砂浜に長い足跡を残していた。その足跡を、男を迎えにきた神様と見つめていた。砂浜の足跡は、二つ並んで残されていた。

その足跡を不思議そうにみる男に、神様はいった。「私は、いつもあなたのそばにいて、どんなときにでも、共に歩いてきたのだよ」

そして、その足跡は、やがて一人分になっていた。それは、彼が人生の中で最も辛かったときだった。そして、しばらくして、また足跡は二人分になっていた。

それを見た男は、神様に向かって怒ったように言った。「どうして、あなたは私が一番辛いときに、そばにいてくれなかったのですか!?」

神様は、その問いにやさしく応えた。「私は、お前を決して見捨てたりはしていない。そのとき、私は、お前を抱きかかえて歩いていたのだよ」

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この短い話は、たしかアメリカの作者不明の逸話。神様を信じるとか、信じないとか関係なく、なぜか、心洗われるような思いがする話。そう感じることできることが、もう少しがんばれることを指し示してくれる。

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