日露戦争のときのロシアのバルチック艦隊との海戦は、世界海戦史上最も完全に近い勝敗であると注目を集めた。日本海軍は、ほぼ無傷で3日間の戦いを終え、まるで、海上演習を終えて帰ってゆくかのような姿だった。
その日本海軍の佐世保に帰還する姿に、ロシアの上級将校は、こう漏らしたと言う。「我々は霧の中で影に向かって大砲を打っていたのではないか?」この圧勝の要因を尋ねられた日本海軍の参謀は、「六割は、運だった」と応えたという。
「では、残りの四割は?」そう問われた参謀は、こう応えた。「残りの四割も、運。この四割は、自分たちの努力による運だ」結局、すべて運だという。しかし、運には自分たちが引き寄せる運がある。
その四割の運を引き寄せる努力や、自らの力があるからこそ六割の運も映える。直接の関連性がないように見える、六割の運でさえも、結局自分次第ではないか。この話を聞いたとき、そのように感じた。
運は、自分で引き寄せる。負の方向に回ってしまった歯車は、倍の力で正の方向に回し始めなければならない。運がないと嘆くのは、今日までにしよう。
