素材が異なれば、レシピも異なる。素材を活かした料理を考えたとき、その素材の良さを存分に発揮できる料理がある。
たとえ、他人の作ったカレーが絶品でも、自分の持っている素材が違えばカレーは作れない。よくある間違いは、自分の素材を無視して、他人の成功の姿(料理)だけを真似ようとすること。
そして、もうひとつの間違いは、レシピさえも真似ようとしてしまうことだ。はじめにするべきことは、他人のレシピを真似ようとすることではない。自分の持っている素材を知ること。
そして、その素材の良さが発揮できる、料理の在り方について思い描くこと。他人の成功レシピを真似るならば、同じ傾向や思考を持ったレシピを選択すること。
この料理とレシピの選択を誤ると、理想の姿への道のりは必然的に長くなる。実際は、その長い道のりもまた、経験だ。そして、その過程でしか生まれないレシピもある。
しかし、忘れてはならないのは、自分の素材がなんであるのかということ。その素材が、もたらす価値は何であるかということ。
その部分に対する視点さえ見失わなければ、回り道すらも、決して無駄で恐れるものではない。自分だけのレシピは、簡単には作れない。しかし、そのレシピから生み出されるものは、決して誰にも真似のできないものになるだろう。
