人生は、航海や登山、マラソンなどに例えられる。それらに共通する事柄として、忘れることはできないことがある。それは、「自分との戦いである」ということだ。そこに、競争相手は存在しない。
いやいや、マラソンには競争相手がいるじゃないか。そう感じるかもしれない。しかし、マラソンを走りきるとき、自分以外の相手を意識したとき苦しみが始まる。あいつを抜きたい、こいつに勝ちたい。
その思いが、自分のペースを崩していく。そして、誰の所為でもなく、自ら敗北する。勝利を掴むルールは、ここにある。他人との相対的評価ではなく、自分自身の内面における絶対評価。
それが、本来すべてであるはずだ。家が小さければ不幸だろうか。食事が質素であれば、それは不幸だろうか。幸せという定義も、外の世界に決められるものではない。自分が幸せであれば、それでいいはずなのだ。
自分の尺度を、外の世界に向けず、常に、自分の内面に向けておく。人生が、マラソンに例えられる真意は、それが、人生のコツであると教えているように感じる。先に行くものは、行ってもらえばいい。
追い抜きたければ、追い抜いていけばいい。他人と比較して評価することを止めよう。それが、人生の基本的なルールなのだ。
