足元を掘り起こす

「現状を打開するために、何かよい方法はないか」こんな相談を受けたとき、相談者のほとんどは、「新しいこと」を期待している。現状を変える魔法のような方法が、まるで本当に存在するかのような期待感だ。しかし、実際にはそんな「魔法」は存在しない。

むしろ、「現状」の中に打開のカギは隠されている。既存客からの意見やクレームを横において、新規顧客を獲得するための方法を模索してみる。過去の実績や成功事例を横において、新しい仕組みつくりや方法を模索してみる。

そのようにして探して見つかる方法に特異性はない。ほとんどが誰にでもアクセスできる情報や方法だからだ。しかし、長年培ってきた土壌から導き出される方法や、そこから得られるアイデアには特異性がある。

「誰にでも、すぐに真似できないこと」がそこにある。それは、地図に記されていない金脈だ。その金脈の先にある宝に目を向けなければならない。たった小数の顧客の意見であっても、新参者がそれを聞き出すためには時間と労力を要する。

この価値に目を向けることだ。対して、目の前にある金脈を無視して、新しいことを探し続けることが意味することは何か。誰かが、同じ金脈を探し当てる前に、その掘り進めた先の金脈に辿り着いておく。

とかく新しいことを始めるには、想像以上にリスクもコストも掛かってしまうもの。まずは、足元を見つめなおして掘り起こしてみよう。

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