三国志の将

三国志に代表される中国史の魅力は、そのスケールの大きさにある。ひとたび遠征となれば、ゆうに日本縦断の距離を進行しなければならない。だからこそ、「戦略」がものをいい、戦略は、単なる陣営だけでは話にならない。

兵糧やその運搬、その補充ルートの確保など戦そのものよりも、準備の方が勝敗を分ける。もちろん、兵力も重要だけれども、軍師の存在価値も高くなるのもうなずける。

戦略、兵糧、兵力。この3つのバランスは、欠かせないうえに、それらを生かす地の利や天の時も、また重要な要素となる。自分の器を信じ、時に降ることも辞さず、転々と渡り歩き、天の時を待った劉備。

才を重んじ、優秀な人材を集め常識に囚われず、登用することで兵法を極め続けた曹操。仁と義からなる人の和、地の利を生かし、曹操を苦しめ続けた孫権。それぞれにそれぞれの方法があり、誰が誰の代わりができるものでもない。

この3人が、三国志の舞台にあがったのには、それなりの理由があるのだろう。そこに見えるのは、「自分を知る」ということ。そして、世の中の流れに合わせて、時を得るということ。

それが、将として必要な才であり、戦略も兵力も、その上にうまくのるかどうかだ。身の丈にあった、戦略、必要な兵糧。そして、それを実行するための武器や兵力。今、向かおうとしている方向に、うまく乗れているか。

あまりにも、理想を追求しすぎてはいないか。何かうまくいなかいと感じているならば、まずは、自分を知ることに立ち返ってみよう。その判断の基準は、とても簡単だ。

「腑に落ちるかどうか」ただ、それだけに気持ちを傾けてみればいい。そして、それに気付いたなら、一度、勇気を持って、その手を離してみることだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)