面接攻略法

日中の街中で、就職活動中らしき学生を良く見かける。自分が、管理職の立場で面接をしていた頃を思いだす。新卒面接や中途面接などずいぶんとこなしてきた。学生の集団面接などでは、ほとんどの学生は、自己PRで似たような応えを用意していた。

「自分は、リーダーではないが、間に立って問題を解決する立場だった」9割がこう答えるが、では一体誰がリーダーで、いつも問題を起こしていたヤツは、どこにいるのか?と思っていた。面接では、とても大切なことがある。

それを知らず、勘違いしてしまうと失敗する。それは、「答える内容の成否は、問われない」ということ。学生の答える内容が正しいとか、間違っているとか、そんなことは、採用する側にとってはどうでもいい。

なぜならば、所詮学生の持っている知識や経験などは、参考材料にはなったとしても実際には使えないと判っているからだ。では、何を見ているのか?面接に限らずだが、人は「雰囲気」を見ている。

話す内容より、その人の「雰囲気」で、80%以上の印象や情報を得ているということだ。だから、教科書どおりの回答ばかりでは、その「雰囲気」を出すことも、感じ取ることもできない。「自分の言葉」で語られない言葉は、ゼロに等しい。

でも、「お決まりの回答」を一生懸命に答えようとする。面接官は、「素」がどんな人間かを知りたいと思う。だから、あえて意地悪な質問や答えにくい質問をする。その答え方に「素」が現れるからだ。

ここでも、「その答えの内容」はどうでもいい。会社には、それぞれ異なった文化や色がある。いくら優秀でも、合う合わないがあるもの。「素」が見えなければ、どんな人間かはわからない。わからない人間は、怖くて採用できない。

それを知らずして採用することは、お互いに不幸になることを意味するのだ。「経歴」や「答える内容」の上っ面だけで判断する面接官に出会ってしまったら、お互い不幸だ。自分の経歴を無意味に汚すことにならないように、「素」を表現して、判断してもらうことが賢明だ。

「素」を表現して受からなければ、その会社は、自分には「合わない」ということ。ただ、それだけ。それ以上でも、それ以下でもない。逆に、面接や試験で合格とされても、本当に「素」の自分に合うかどうかを自ら見極める。

状況によっては、自分から辞退するくらいの気概でいい。普段の自分より、よく見せようとするから緊張もする。「素」の自分を見せて、自らも選ぶ気持ちでいれば楽だ。その「雰囲気」は、「わかりやすさ」となって伝わる。

真の面接攻略法は、これに尽きる。就職は、お互いが幸せになるための「縁」。すべては、ベストな状態で動いていると考えることだ。

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