マーケットで優位に立つためにも、自分自身を売り込むためにも、重要なキーワードがある。「差別化」そして、「差別化」を行う上で欠かせない観点が、「競合」の存在だ。競合他社といえば、何を想像するか。
多くの人は、「同じ商品を提供する」他社を想像する。だから、価格やサービスで、競合を凌駕するように考え、努力しようとする。しかし、「競合」とは、一体何なのか?本来、商品やサービスを受ける側の心理に競合がある。
競合とは、提供側都合で語られるものではないはず。つまり、マクドナルドの競合は、ロッテリアだけではない。実際には、ロッテリアとの競合は少ないかもしれない。自分がランチを考えるときを思い出してみる。
「マクドにするかロッテリアにするか、それともモス?」そんな選択肢をもって考えているだろうか。よほど、ファーストフードが食べたければ別だが、実際には、全く異なるものと比べていたりする。コンビニのサンドウィッチとドリンク。
フードコートならば、カレーやラーメン。消費者が、実際に行う選択思考で競合を捉える。お見舞いの花屋の競合は、洋菓子や書籍。DSを欲しがる子供は、PSPと選択を迷うだろうか。確かに、「差別化」は重要な要素だ。
しかし、何と差別化するのかを誤ってはまずい。固定観念だけで判断せず、相手の立場を想像してみる。そして、出来る限り成りきってみること。そうすれば、見えてくることが必ずある。これは、商売をしている人だけの話ではない。
サラリーマンも、サービスの提供者と考えてみる。工場で働くならば、差別化を計るべきは、となりの同僚ではなく、ロボットかもしれない。実際には、競合していない相手に対して、神経を尖らせることほど、しんどいことは無い。
自分は、何と競合しているか。少し、違った考え方をもってみると面白い。
