知恵を使う。この必要性は十分に理解されているが、それを実際に行っている人は少ない。その理由のひとつは、「知恵の使い方」を知らないことにあるように感じる。所詮、人間は、自分の知っていることの範疇でしか、物事を思考し、考え出すことはできない。
だから、学習を行うことは基本だ。学習とは、他人の経験を学ぶことが基本。すべての学問は、過去の賢人たちの成果だ。知恵を使うということのひとつは、過去の賢人たちの成果を積極的に学ぶことにある。
そして、知恵を使うための、もうひとつのコツは、「考え方の指向性」を変えること。多くの人は、自分の見聞きしてきた事柄で、その全体像を知っているかのように錯覚する。たとえば、広告を作れといわれれば、自分が見てきた広告をイメージして作ろうとする。
その広告がどういった背景や検討の末に、生まれ出たのかを知らないままに実現しようとする。出来たものは、それなりに見えたとしても、その全体像を理解して取り組むところには勝てない。
「一般的にはこうだから、こうした」これでは、知恵を使っていることにはならない。考え方の指向性を相手側に置くだけで、その視点が変わって、別の考えや理由が生まれる。「知恵を使う」基本は、2つ。過去の賢人たちから積極的に学ぶこと。
考え方の指向性を変えてみること。変化と混乱の時代。「知恵」を使うものが、評価される「本物」の時代。「知恵」を存分に使って乗り切りたいと思う。