険しい道もある

今の現状が苦しいからといって、この先、すべての人生が苦しいとは限らない。人生の勝ち負けの基準を、その一遍だけで簡単に判断することはできないのだ。カーネルサンダースは、65歳のときに、ケンタッキーフライドチキンを始めた。

彼の喫茶店は、好評だったが、ハイウェイが出来てから、売上げが落ち込み閉店した。その後の整理をすると手元にお金はほとんど残らなかった。そして、年金生活で受け取れるの、毎月105ドル。

ハッピーエンドで終わると信じていた人生が、66歳を迎える前に、ほとんどすべてを失ってしまった。それから、チキンのレシピを売って歩いた。1000件以上も断られ続けた。この1件1件は、果たして「負け」だっただろうか。

しかし、彼は、その試練を「負け」として終わらせなかった。その秘訣を、彼の言葉の中に見ることができる。カーネルサンダースは、こう言っている。

(ここから)ずるい手段を使ったり、相手を欺いたり、弱い立場の人に圧力をかけたり、さらに詐欺や不正な手段を使った方が、楽に成功できる。そしてわれわれはそのような手段を使うことも、ビジネスの一貫だとして大目に見てしまいがちである。

約束したことを守り抜いたり、自分の仕事を妥協することなく継続したり、正しい道を貫きとおして成功することは容易なことではない。簡単な道のほうが効果的で、早く成功できるかもしれない。険しい道を進むのは努力が必要であり道のりも長い。

だが時が進むにつれ、最初簡単だった道はだんだんと難しくなり、険しかった道は徐々に容易になってくる。そして、長い年月とともに、簡単な道は砂の上に建てた櫓のように危険が増してくるが、険しい道はしっかりとした自信の上に作り上げられているので、崩されることはない。(ここまで)

勝ち負けの基準は、最後まで判らない。諦めなければ、「負け」はない。そして、カーネルサンダースは、ひとつの「勝ちパターン」を示してくれた。「損得」ではなく「善悪」に従うこと。「良心」に従うことが、勝ちパターンのひとつであるということを。

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