この物理世界において、特筆すべき特徴は、”空間”という概念ではないだろうか。それは、距離的な空間を含め、時間的空間もある。そして、現実化を阻害する要因としての観念や先入観。そうしたものも、またこの世界独特の”空間”だ。
だから、映画にあるマトリックスのように、思ったことを、すぐには現実化することはできない。空間があるということは、何かを実現するためには、その空間を埋める行動が必要となるということだ。
つまり、東京に行くならば、電車に乗る。電車に乗るならば、駅に行かなければならない。打率を上げることも、魚を釣ることも同じ。どんな些細なことでも、そうでないことでも、そこには、空間を埋めるための行動がある。
そして、その空間を埋めるための行動は、その度合いによって、様々になる。「電車に乗る」といった速攻性のある行動もあれば、観念や先入観という空間を埋めるための行動もある。この空間を埋める行動は、ショートカットできない。
「石の上にも3年」ということわざも、「最低限の空間を埋めるためには3年を要する」と理解できる。その途中で辞めてしまうこともできるし、とにかく、続けることもできる。
とにかく、何が何でも続けるということが、必ずしも正しいという意味ではないことも、付け加えておく。そこに、正しいとか正しくないとかという判断はない。あるのは、自分がどうしたいか。様々な空間を埋めた先に、何を想像しているか。
それが、自分の本当に望むものなのかどうか。それがそうならば、今の時間は必要な時間。たとえ、結果が伴わない時間を重ねても、その過程で、観念や先入観を超え新たな経験を得る。
それは、必ず必要な時間。重要なことは、視点を周囲の見方や評価ではなく、自分自身の内面に持っていくことにあるだろう。あるレベルに到達して結果を出す。そのための空間を埋めるための行動。その行動に成功はなくとも、成長はある。
辛さや苦しさは、視点が周囲に向いている証拠。楽しみながら、空間を埋める行動をしよう。