ある市場における勢力地図が変わろうとするとき、その背景にある、それぞれの戦略を推し量ってみる。すると、面白いことに気付く。そこには、ランチェスターの法則が見え隠れする。
ランチェスターの法則。それは、概ね強者のための「強者の戦略」と弱者のための「弱者の戦略」に大別される。強者の法則とは、高度な武器を駆使し、空中戦や飛び道具を主体とする戦法。対して、弱者の法則とは、地上戦で、1対1でぶつかり合う戦法。
織田信長の桶狭間の戦いは、弱者の法則を活用した。湾岸戦争の多国籍軍は、強者の法則で圧倒的な勝利をえた。あるチャレンジに対して、今自分の立場は強者か弱者か。その分析は、嘆くためではなく、戦略を選ぶため。
競技の世界でいえば、強者の法則は情報合戦かもしれない。対して、弱者が勝利するためには何をすればいいのか。地上戦に持ち込み、1対1の勝負に持ち込むためには?その地上戦で勝利を得るために必要なことは?
それは、大勢に従って動くことではない。小さくセグメント化された局面で、圧倒的なスタイルと自信を持つこと。そして、強者がその脅威に気付く頃には、時すでに遅しの状態を作り出す根気を持つこと。
そのために必要なことは、自分自身に対する圧倒的な信頼だ。